【介護タクシーの運賃】迎車料金のスリップ制につき簡単解説!

まとめと要約
この記事はYouTubeで配信している「【介護タクシーの運賃】迎車料金のスリップ制につき簡単解説!」の内容を文字起こししたものです。
介護タクシーの運賃は認可を受けなくてはいけません。運賃を決める際に設定する迎車料金には、スリップ制と固定料金がありますが、スリップ制はご理解されていますか?
迎車料金のスリップ制についてまとめましたのでお役立て下さい。

運賃の認可を受けるためには

介護タクシーで独立するためには、営業許可だけではなく運賃の認可も受けなくてはいけません

私たちが普段乗るタクシーもメーターで料金が表示されますが、料金の上がり幅は認可を受けた運賃通りに上げられています

つまり運賃は事業主が完全には自由に決められず、国が定めた範囲内で設定して認可を受ける必要があるということです。

その運賃を決める際に、迎車料金を設定することが出来ます。

迎車料金とは文字通り「お客さんが指定する場所にタクシーが迎えに行く場合に請求できる費用」です。

迎車料金をどのように設定するか

迎車料金の設定パターンは大きく次の3つです。

迎車料金の設定パターン

① 設定なし

② 固定料金

③ 初乗り距離のスリップ制

 
それぞれについて確認しましょう。

まず①・②については言葉そのままなので意味が分かりやすいかと思います。

① 設定なし
=迎車しても追加の費用を請求しない場合

② 固定料金
=迎車をする場合、固定でその金額を請求するもの

それに対し③ 初乗り距離のスリップ制は言葉からでは意味が分かりません。

そこで今回は「迎車料金の初乗り料金スリップ制」につき詳しくお話しいたします。

スリップ制を理解した事業者さんはスリップ制を導入する方が多いので、知識として知っておいて損はないはずです。

タクシー運賃の区分とスリップ制

タクシーの運賃は大きく次の2つに区分されます。

このうちスリップ制と関係するものは①の距離制です。

距離制とは、走行距離が増えるにつれて料金が加算されることをいいます。

私たちが普段乗る一般的なタクシーをイメージしてみるとわかりやすいですね。

流しのタクシーであれば、自らが予約しない限り、迎車料金はかかりません。

しかし、介護タクシーは予約制のみです。よって、基本的には迎車することになります。

ここで迎車料金を固定にするかスリップ制にするかで、同じ搬送距離でも運賃の請求額が変わってきます。

迎車料金における固定料金とスリップ制の違い

ここからは具体例を使って説明します。なお、設定は以下の通りとします。

・ 横浜市で営業する介護タクシー事業者さん

初乗り料金1.2kmの500円で距離制運賃の認可を受けている

・ お客さんのご自宅まで迎車で伺う(事業所~ご自宅間は1km

・ お客さんはご自宅から2km離れた病院に行きたい

 
このケースについて、以下の2通りの例を考えてみましょう。

◆ 例1:固定料金の場合

◆ 例2:初乗り距離のスリップ制の場合

例1:固定料金の場合

まず固定料金の場合です。

仮にこの介護タクシー事業者が迎車料金を固定500円で認可を受けていた場合、以下のようになります。

① 事業所を出発

② お客さんを乗せた時点で迎車料金500円が発生(メーターはここから起動)

③ 初乗り1.2kmを走行した時点で運賃が加算され始める


この青色の矢印が初乗り距離に該当します。

④ 加算開始から病院までの800m分が加算料金となる


このオレンジ色の矢印が運賃の加算対象に該当します。

例2:初乗り距離のスリップ制の場合

次に、初乗り距離のスリップ制の場合です。

① お客さんから「迎えに来てください」と言われ事業所を出発したタイミングでメーターを起動する

② お客さんのご自宅に着いた時点で1km走っていることになる


つまり「迎車中もお客さんを乗せているのと同じ状態になる」=これが「スリップ制」です

③ そこから病院に向かうと200mを走行した時点で運賃が加算され始める


この青色の矢印が初乗り距離に該当します。

④ 加算開始から病院までの1.8km分が加算料金となる


このオレンジ色の矢印が運賃の加算対象に該当します。

例1と2を比較してみると、下記のとおり、サービスの対価として請求出来る金額は固定料金よりもスリップ制の方が金額としては大きくなります


 
迎車料金における固定料金とスリップ制の違い、ご理解いただけましたでしょうか。

スリップ制の注意点

次に、スリップ制を導入する場合の注意点を2つお伝えします。

◆スリップ制の注意点◆

① 初乗り距離以上には設定できない

② お客さんを驚かす可能性がある

 
それぞれ説明します。

① 初乗り距離以上には設定できない

先ほどの例で言うと、1.2kmまでは迎車中でもお客さんを乗せたと同等の取り扱いができますが、もし営業所からお客さんのご自宅まで10km離れていたとしても「乗車させた時点では1.2km走った」としかみなされません。これがスリップ制です。

迎車料金の上限額も初乗り料金が最大です。

初乗り料金は任意に設定できず、原則、国が定めた範囲内でしか認可されません。

私たちが普段乗る流しのタクシーも、初乗り料金は大体どこも同じですよね。

② お客さんを驚かす可能性がある

お客さんからすれば、タクシーに乗った瞬間にメーターが動き出して加算されるわけです。

お客さんにスリップ制を説明するのはなかなか大変ですよね。

ここら辺が心配であれば迎車料金は設定しないか、固定制の方が説明は容易で同意を得やすいのが一般的ではないでしょうか。

スリップ制を導入する場合には、これらにつきご注意ください。