日本には合法的な白タクがある!ライドシェア解禁の前に知っておきたいこと
令和6年現在、巷ではライドシェアの解禁などで盛り上がっていますね。
イベントがあり観光客が増えれば現在のタクシー供給数では足りないことは明らかなので驚くことはありません。
しかし、そもそも論としてなぜ白タクは禁止されているのでしょうか。
色々と理由はありますが、プロライセンスである2種免許がないという技術的な側面や、トラブル時の責任の所在が不明瞭なことが理由として挙げられます。
とにもかくにも、日本では人を輸送しその対価としてお金を貰うことは自由に出来ないと法律で禁止されています。
もし運送業務をしたいのであれば、許可を取得してやってくださいといった形で制度にして、一定水準以上の基準を満たさないとで運送事業が出来ないようになっているということですね。
ちなみに許可とは行政手続的には禁止の解除を意味します。よって許可申請をして許可が下りれば事業をしていいという関係性です。
(一般旅客自動車運送事業の許可)
第四条 一般旅客自動車運送事業を経営しようとする者は、国土交通大臣の許可を受けなければならない。
旅客自動車運送事業とは、他人の需要に応じ、有償で、自動車を使用して旅客を運送する事業です。
具体的にはタクシーとかバスが該当します。
許可を受けると事業用として登録がされ、ナンバープレートが青(緑)ナンバーになります。(軽自動車は黒ナンバー)タクシーやバスは例外なく青ナンバーです。
この事業用と対比となる概念が自家用になりす。自家用自動車はナンバープレートが白です。
つまり白タクとは自家用として登録されたまま輸送の対価を受けとることを表現しています。
この白タクは原則禁止されていますが、例外的に認められているものがあるのはご存知でしたでしょうか。
詳しくは本コンテンツにてご確認ください。
Contents
合法的な白タクとは
合法的な白タクとは正式名称で自家用有償旅客運法といいます。具体的には道路運送法78条に規定されています。
(有償運送)
第七十八条 自家用自動車は、次に掲げる場合を除き、有償で運送の用に供してはならない。
一 災害のため緊急を要するとき。
二 市町村、特定非営利活動促進法第二条第二項に規定する特定非営利活動法人その他国土交通省令で定める者が、次条の規定により地域住民又は観光旅客その他の当該地域を来訪する者の運送その他の国土交通省令で定める旅客の運送を行うとき。
三 公共の福祉を確保するためやむを得ない場合において、国土交通大臣の許可を受けて地域又は期間を限定して運送の用に供するとき
つまり次の3つが合法的な白タクです。
①は言葉の通りですね。
③の代表的なものが、ぶら下がり許可です。介護タクシーの許可を持つ訪問介護事業者が、ケアプランで輸送する場合に適用されます。
詳しくはこちらの記事にてご確認下さい。
今回は②の市町村やNPO法人等が地域住民や観光客のための輸送について行う白タク行為について詳しく説明したいと思います。
市町村やNPO法人等が地域住民や観光客のために行う輸送とは
自家用有償旅客運送は合法的な白タクですが、主体となれる者が限定的で市町村と非営利法人と決まっています。
さらに輸送目的も限定されており、具体的には次の2つです。
この2つを目的としている限り白タクが認めまれます。
具体的に確認してみましょう。
①交通空白地有償運送
交通空白地有償運送とはバス、タクシー等の公共交通機関によっては地域住民又は観光旅客を含む来訪者に対する十分な輸送サービスが確保できないと認められる場合において、市町村又は特定非営利活動法人等による運送です。
交通空白地有償運送をする場合には、国土交通大臣等から登録をうける必要があります。
他にもすべきことがありますので、詳しくは別記事にてまとめましたのでご確認ください。
②福祉有償運送
福祉有償運送とは市町村、NPO法人、社会福祉法人などが、障害者や高齢者など一人で公共交通機関を利用することが困難な方を対象に行う、ドア・ツー・ドアの有償移送サービスです。
要介護者や障がい者、肢体不自由者など自力での移動が困難な方々が通院などをしようと考えても、地域の事情からタクシーなどの公共交通機関による輸送サービスが必ずしも充分に提供されていないことがあります。
このような地域では、自治体・NPO・社会福祉法人等が行う福祉有償運送が可能です。
この福祉有償運送も国土交通大臣等から登録を受けることが条件です。
これも別の記事にて説明します。
まとめ
合法的な白タクについてまとめました。
基本的には営利法人では自家用有償旅客運送は出来ません。(ぶら下がり許可は除く)
それくらい国は運送で対価を得ることに制限をかけているということです。
これの是非についてはここで論ずることではないですが、労働力人口が減ってきている昨今では移動の担い手が少なくなってきているのは事実です。
楽しく人生を過ごすためにも移動困難者が安価に安全に移動出来るサービスが増えることは良いことでしょう。
白タクイコール駄目ではなく建設的な議論を経て良い制度が出来れば良いなと個人的には願ってみやみません。