2016年から小規模デイサービスの開業許可が取りにくい理由
デイサービスの開業を考えている多くの人がまずは規模が大きくないもので始めたいと思っているのではないでしょうか。規模が小さいデイサービスのことを小規模デイサービスと言います。みなさんも聞いたことがあるのではないでしょうか。
小規模デイサービスという言葉は一つの固有名詞として認知され、実際に多くの個人や企業が開設しました。開業基準が緩やかでかつ社会的ニーズが高いということが背景として挙げられます。
しかし平成28年4月1日からは小規模デイサービスは自由に開業出来なくなります。今までは開業の要件さえ満たせば開業が認められていたのが、そうではなくなるということです。
なぜ自由に開業出来なくなるのでしょうか。
地域密着型サービスに移行
小規模デイサービスは今まで都道府県が介護事業所として指定してきました。しかし平成28年からは『市町村が』介護事業所を指定するようになります。それを地域密着型サービスにかわると言います。
指定を受けるとは『国から介護事業をすることを許可される。』という意味です。その指定権限が都道府県から市町村に代わることが今回のテーマです。
なぜ市町村が指定する地域密着型サービスに代わるのでしょうか。
それは小規模デイサービスという性格上、市町村の特色に合わせた形で運営する方が効率的だと判断したことが一番の理由です。他にも今まで多くの人や企業が小規模デイサービスで新規参入してきたことで、介護報酬の増加を抑制する必要が生じてきたこともあげられます。
都道府県が介護事業所としてデイサービスを指定していたのが、市町村が指定するようになるとどういうことが起こるでしょうか。
利用者から見てみましょ。利用者は自分が住んでいる市町村の指定する小規模デイサービスにしか原則通えなくなります。新宿区民は新宿区にある小規模デイサービスのみ通えるということです。
開業を考えている人にとってはどうでしょう。
それは平成28年4月1日以降にデイサービスを開業をしようと思っても開業候補地の市町村がこれ以上小規模デイサービスが必要ないと判断すれば当該市町村では介護事業所として指定を受けられません。
つまり都道府県が指定をしていた時と比べると、自由に開業できるチャンスが減るということです。市町村がデイサービスが必要だと思ったタイミングで公募により事業者を指定するということになります。
結果、小規模デイサービスを営業している事業所はライバルの新規参入が制限されることになり既得権益なるものが発生します。総量規制の恩恵を受けるわけです。仮にあなたが今年中に小規模デイサービスを開業すれば、新規参入業者の存在には頭を悩ませることはなくなるということです。
小規模デイサービスの定義が変わる
今までの小規模デイサービスの定義は月々の利用者の平均延人数が300人以内でした。制度の変更により定義が変わります。利用定員が18人以下である事業所を小規模デイサービスとすることになります。
既存のデイサービス事業所で月々の平均延利用人数が300人以上(通常規模デイサービス)でも利用定員が18名以下の場合は地域密着型サービスにかわります。
既存の事業所様は特に手続きなどが不要ですが、介護報酬区分が変わりますのでお気をつけください。
まとめ
デイサービスで開業する魅力の一つは小資本で開業しやすい点です。要件さえ満たしていれば誰でも介護事業所として指定を受けられました。
その結果、時代も手伝い多くのデイサービスが乱立して介護報酬の財源を圧迫し始めました。その解決策としてデイサービスの参入障壁を設ける制度が出てきました。
もし小規模デイサービス(利用定員が18名以下)の開業を考えている人は2015年の夏頃までには開業準備を始動しなくてはいけません。
開業準備というのは物件選び、人員を揃えることです。物件と人員が揃って初めて介護事業所として指定(開業許可)を受けられるようになります。
介護事業所として指定を受けるための審査期間は3ヶ月程です。つまり来年の4月までに指定(開業許可)を受けるためには12月には開業申請書類を作成し始めなくてはいけません。1月からですと地域密着型サービスになり市町村が指定することになり、市町村が不要と思えば指定を受けられません。
開業を考えている人は準備が間に合わなかったなんてことは絶対に避けなければいけません。早めの用意をご検討ください。
もし小規模デイサービスの開業を考えている人はこちらのデイサービスを小規模で立ち上げるメリットとはをご覧ください。また、こちらのデイサービスを開業するあなたが持っておいた方がいい資格もあわせてご覧になると人を雇う際に役に立ちます。
デイサービスの開業のことで分からないことがあればご相談ください。相談は何度でも無料です。